やまねこ登山録~人生詰んでる人が富士山頂上を目指すだけの話のその後~

仕事(ブラック)にもプライベート(独身ボッチ)にも負けず…登山素人ながら富士山に登り終え、その後の登山日記。まだ見ぬ絶景とネコを求めて、関西を中心にふらふらといろんな所へ行っています

4年ぶりの3000M峰 とある浦島太郎。南アルプスの女王、仙丈ケ岳を訪れる。

富士山が見える…。この景色。初めてではない。前俺は、確かにこの富士山を見ている。

北岳間ノ岳の間で見た富士山。これを思い出さずにはいれなかった。

あれから、随分な時が流れたものだ…。

 

 そんなわけでお久しぶりの登板です。なんとか行けた夏の高い山登山。今回は南アルプスの女王。仙丈ケ岳にチャレンジです。

 まずは、軽いジャブ…。今回は、前泊日帰り…まあ、白山と一緒か。三連休を利用して、少し早めに来て観光しようと思ったのだが…。そこは三連休。ゆっくり出たら長野県に来るのに時間がかかった。結局午後15時ごろ、中央道の伊那インターを降りる。結局これたのはここだけ…↑

 武田の名将、山本勘助が作った高遠城です。
 

 CV高橋李依…。男前の方の声で伝える、軍師山本勘助にちなんだ策略家の法術使い……。いや、今日は登山の話なんで城プロはこのくらいにしておきましょう。

 すみません。もともと桜の名所として知られてる城でシーズンオフの今は人が少なく開いてる店もすくなく…、ちょっと天気悪くてあまりみれなかったのです。でも、なんとか城はいろいろ見て回れました。おすすめは、近くの店で売ってる「高遠まんじゅう」これは冗談抜きで、おいしい。もっと知られていいお土産でした。おちかくにお寄りの際はぜひ。

 

 ええっとなんの話だっけ?そうだ、登山だ。今回は最初のタイトルに挙げた浦島太郎…。コロナが猛威を振るって数年、登山の様子も大分変っています。その辺も書いていけたら……で……

 

 わーい。ソースカツどんもうまい。これは少し南の駒ケ根付近の名物とか?一般のと違って名古屋の味噌カツっぽい味付けされてるカツがいい。あ……

 

 登山でしたね。それでは、順番に行きましょう。

 

 ガソリンを入れながら、山を仰ぎ見る。多分左の雲をかぶっているのが……仙丈ケ岳?←適当やめろ

 腹ごしらえした後、さらに車を10キロほど走らせて、登山バスの出発地、仙流荘につく。上は朝の写真。

 たどり着いてまず焦る。まだ、夕方。この日のバスの運行が終わってるはずなのに300台くらいある駐車場がほぼ満車だ。かろうじて奥の方に空いているスペースを見つけて駐車。バスの目的地北沢峠は、甲斐駒ヶ岳仙丈ケ岳という二つの人気山の登山口を兼ねている。そこでテントを張って、二日間かけて両方の山に行くのが結構なトレンド「山と食欲~」の鮎美ちゃんもやってたから、本当は自分もこれで行きたかったのですが、仕事が…。当然、何日か車を止めっぱなしの人もいる。さらに……考えたくはないが、すでに俺が狙う明日の朝一の出発バスのチケットを買っている客も相当数いるだろう。そんなこんなで、バスに乗れるのか不安な気持ちを抱えて…(夜また星空とか眺めたりしたけど)夜は結構あっさりと過ぎていった。なんか、車中泊にも慣れてきたな。

 そして朝↑。始発バスの一時間ほど前にチケット買いに行けば大丈夫だろうと思っていたのがまずかった。すでにバスの乗り口に1000人くらいの人が並んでいる。(実際は5,600人ってバスの運転手さんが言ってた。)いや、夜から気が付いていたんだ。バスの乗り口のところに、みんなそれぞれのザックやらタオルやらストックやらを置いて場所取りをしていた。乗り口にある椅子に番号が振ってあって、30人くらいは場所取りが可能のようだ。ここまでしないと、連休にこの山には乗れないのか。

 そして、前日にチケットを買ってない俺は当然、まず同じような行列ができているチケット売り場の方に並ばないといけない。

 ソロの登山家はこういう時、損だ。二人以上いたら、片方がバス乗り場に並んで片方が切符を買う列に並ぶ…なんて技ができる。

 しかし、ソロじゃないと、こうやって車で前日の夕方から登山口で寝るなんて芸当はちょっと難しいし、その辺はよし悪しという奴だろう。そして、チケットの券売機にたどり着く。ここでちょっとした発見。

 

 浦島エピソードその1←また、変な言葉を作るな。

 チケットがキャッシュレス対応になってる。しかも結構いろんな種類の!!

 基本、こういうところでは、極力おつりが出ないように現金を用意しておくものだが、これは便利…なのだがもう気づいたのがすでに随分並んだあと、現金もちゃんと用意してたし普通に現金払いの方に並ぶ。そして、現金の方は二台あるうえ、キャッシュレスは登山をしている、じ……おとなの皆様にはまだ難易度の高いコンテンツらしく、一人ひとりが結構時間かかるから、現金の方が早く客がさばけるという事態でした。

 

 チケットを買っ今度はバス乗り場の列に並ぶ。5時半、最初のバス……これも7,8台出すから500人は乗れるはずなのだが間に合わず、出発できたのは、このバスが返ってくる6時過ぎ……でした。

 

 バスは南アルプス林道という、おそろしいグネグネ道を通り、北沢峠にたどり着く。

 白樺の木立の中にひっそりとある登山口。山小屋もあり、おそらく結構な人間が出発しているはずだ。

 

 浦島太郎エピソードその2←シリーズ化するな。

 登山者達の荷物の軽量化

 まあ、これは山にもよるのかもしれない。コロナまえはUL(ultra lightだっけ?)スタイルという言葉がはやってて荷物の軽量化が進んでいたものだが、最近はそれを通り越して、トレランスタイルで結構な山に登っている人が増えた。まあ、仙丈ケ岳や白山みたいに、険しい鎖やはしごが少ない山ではその方がいいのかもしれないが……登山を始めたころは、いろんな登山雑誌に、遭難してもいいようにツエルトや非常食、水を何日分みたいな注意書きがあったものだが、そういうのも、トレンドがあって時とともに変わっていくのだろう。ただ、ちゃんと山のレベルと自分の実力を鑑みて装備はチョイスしないといけないとは思う。靴なんかもね……。そりゃ、トレランの靴の方が歩きやすいとは思うけど……。仙丈ケ岳レベルならスポルティバはオーバースペックなのだろうか?さすがに、涸沢から上を責めるような登山者は、昔からの登山装備と靴で登っていると……信じたいんだが、どうだろう?涸沢にもまた行きたいものだ。

 ※この仙丈ケ岳もそうですが、涸沢も始め今年は高山で結構深刻な水不足が発生してるみたいです。行く人は十分に注意を。

 

 で、この軽量スタイル。圧倒的に増えたのが、短パンをはいた男。タンパンマンが増えたことだ。←カタカナにする意味ある?

 登山女子は結構短パンや登山スカートをはいている人は結構いた。高機能タイツを下にはいていて露出は無いようにしているが……。コロナ前から男でもちらほら、そのスタイルで登ってる人は見たのだが、自分はあれを見るたびに、自分がやったら絶望的に似合わない……から、絶対やらないだろうなと思っていた。だが、今やそんな男ばっかり、長ズボンをはいているのは、じ……ベテランの登山者ばっかり。そして思う。自分もとうとうそっち側の人間になってしまったのか……と。登山レベルは低いままなのに。

 

 また、長々と書いた。

 

続きだ……。そんな劣等感は、この景色を見て一気に吹き飛んだ。

6合目付近、森林限界を超え、しばらく行って振り返ると……

甲斐駒ヶ岳……。なかなか優駿な山だ。こっちも登りたかったなあー。

 そして、前にはこれが見えてくる。これが仙丈ケ岳……

 では、ないんです。これは、小仙丈岳という途中の小ピーク。いや、これだけ視界が開けたら少々の疲れは吹き飛んで………。

 って暑いんです。もう、これが見えるころには倒れそうでふらふら。そして、周りは先に書いた軽装かつ登山慣れしたパーティーだらけでどんどん追い越される。かなりつらい稜線歩きです。

 

その小仙丈から見た真の仙丈ケ岳……。いつもは、これを見たらヒャッほー!!いっくぜー!!ってなるんですが、もうしんどくて……。え?、まだ、こんなにあるの?が第一印象。

 本当に情けない。コロナ禍を経て、まあ、少し太って体重が増えたのもあるのですが年も取ったし体力の衰えがひどい。甲斐駒じゃなくて仙丈ケ岳にしたのも今の自分の体力を鑑みての事だった。それで、このザマだよ。本当に。

 

「あれが北岳だって、いつかのぼりたーい」

 

 ある若いカップルの女子の方がいったそんなセリフが聞こえた。そういや、北岳からもこの山が見えたな。今、ひーひーいいながらこの山を登っている俺が登れたくらいだから、きっとアンタも楽勝だよ。と、心の中で言ってみる

 

 富士山だ……。そういや、北岳からも見えたな。あの時は楽しかった。何が楽しかったって登山するごとにどんどん、技術や経験が上がっていく自分がいたから。ずっと、いろんな山に挑み続ていきたい。そんな感想を書いたはずだ。まさか、4年も登山をまともにできたい日が続き、登山しにくい仕事になり……登山レベルが落ちてくるなんて考えたこともなかった。年齢的にある程度老化は覚悟していたが、実際現実を目の前に叩きつけられるとショックが本当にでかい。

 あの時、自分の目の前にあったはずの、北岳……本当に遠くに見える。4年前の俺があそこにいる。あの時も別に人生に満足なんかしてなかったけど……

 

「山は逃げない」

 

 天候が悪化したりして登頂をあきらめなけれなならなくなった登山家にガイドなんかがよく言う言葉だ。「また、いつでも登ればいいじゃん」みたいな……

 だれだ。こんな無責任な言葉を残したのは……

 俺は静かに4年前の自分に背を向け歩き出す。

 着いた。この達成感だけはあの時と同じだ。えらい人ごみの中、列をならんでかろうじて写真をとる。景色はすばらしい。浦島太郎状態のなか、それでも山に登るのはこの瞬間のためだ。これが……これさえあれば………。

 まだまだいける。体も鍛えて、登山レベルも上げ……若いファッションだって着てみせよう。←いらん

 そんな、妄想の中、今年の南アルプスをあとにするのだった。





最後に……。前泊日帰りは、タイムが結構厳しく。山を十分楽しむには不向きだと俺は思う。もうちょっと山を楽しめる方法を考えないと。