やまねこ登山録~人生詰んでる人が富士山頂上を目指すだけの話のその後~

仕事(ブラック)にもプライベート(独身ボッチ)にも負けず…登山素人ながら富士山に登り終え、その後の登山日記。まだ見ぬ絶景とネコを求めて、関西を中心にふらふらといろんな所へ行っています

八ヶ岳酔夢譚 その4 それも答えだ

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朝7時…とりあえず、私はお世話になった赤岳鉱泉を出発する。

ってめっさ曇ってるやん。ここに至る話は、まず数時間前に遡る。

まず目が覚めたのは5時前だった。すでに結構な数の登山者達が出発の準備をしている。

彼らはおそらく八ヶ岳を一周するつもりだろう赤岳を経て硫黄岳まで。しんどいけど無理なタイムでは無い

私はこの日は赤岳に登って終わりなんで、小屋でゆっくり朝食をとって出る予定だ

朝食までまだ1時間ほどあるのでとりあえず電波の入る食堂に移動して天気予報をチェック…

だいたい昨日と同じ…ってかまだ更新されてないようだ

今日1日は降ったりやんだりで明日の予報は晴れマークが時間ごとにちらほら見られる

 

しかし事態は朝食後に一変した

あ、朝食も美味しかったですよ

(写真撮り忘れた)←おい

 

で、何が一変したかというと…

天気予報!朝一の予報見るとその日の天気が曇りのち晴れになってたのは良いが、

ずっと晴れの予報だった翌日朝の天気が雨になってる…

 

いや、3日目ありきの登山プランだったので本当に困った

何がヤバいかといえば、その次の日はもう仕事に行かなくてはならないって事だ。

もともとギリギリのタイムをとった日程。雨なら怪我が怖いし濡れた衣類の処理も大変。(電車移動ですから)さらに最悪下山出来ない可能性もある

 

これは…

と、考えたが結論がでず

とりあえず雨が降る前に赤岳登ることにしました

最悪今日中に降りる事もできるしな

 

 

と、色々考えを巡らせて

 

話は登山道に戻ります

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赤岳鉱泉の隣にある行者小屋へ到着

隣って言ってもコースタイム40分。実際に徒歩で20分ちょっとで来ました

一応、この方向に山が見えてるんだけど…

こりゃ、もうあかんな。ここから南沢ルートで美濃戸口まで引き返してもいいくらいや。

まったく、昨日から天気予報がブレブレなんですよ。

週間天気予報が変わるのともかく、明日の天気とか3時間ごとの天気とか、しれっと変えたらダメだろうと…。これで、「日本の天気予報の的中率は世界一ィぃぃ」とか片腹痛い。もし、外れたのなら原因と再発防止策をレポート用紙にまとめて、私の所に提出しろってんですよ←山ほど?書かされた顛末書的発想

 

??「うるさいですね」

 

はい。天気が悪いことに予想屋さんの罪は一切ございません。はい。

黙ってさっさと話を進めろってんですよ。

とりあえず、登ってみることにしました。

地蔵尾根ってルートで行くのが早いようなのですが、それよりも傾斜が緩い文三郎尾根っていうコースもある。そっちの方が時間がかかるみたいですが、赤岳登るだけなら、そっちの方が緩いし安全だろうと、文三郎で行くことにしました。

 

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一向に良くならない天気…。そして、アホみたいな急傾斜…。あれ?これ緩い方じゃなかったの?これ、もう登らん方が良かった?

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ふっと風が出てきて、眼下にさっき通過した行者小屋が見える。

このまま霧が晴れるか?とも思ったが…。

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頂上まで一気に上がって雲になってるだけだった。

なんとか、雨は降らないけど……。風が随分強い。帽子が何度も飛びそうになる。

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この中岳との分岐から稜線のはず。

まあ、展望は期待できんな。

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だが……ここに来ると……。

 

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 展望が見えない上に、山の反対側からも強烈な突風が吹いてくる。

これ、稜線歩くのかなり危ない?

しまったヘルメット持ってきたらよかった…。

↑いや、持って来てないんかい

だいたいの登山者の人は持ってきてました。たまにかぶってない人いたけど。

皆さんはお気をつけて。

 

しかし、帽子が本当に飛びそうでヤバイ。歩きにくいな…困った…

↑いや、ザックにしまえや

 

………あ、そうか

↑アホ(実話です。このことに気付かず、結構長い間、帽子を手で押さえながら歩いてました。)

 

そして、帽子をしまって、なんとか、ペースを保つ。

思えば、強風と悪い視界の難コース…あの時を思い出す。

 

adera.hatenablog.com

 北穂高岳

途中で転んケガして引き返したヤバイ思い出。

あの時のトラウマが若干顔を出したりしたが…。でも、あの時の記憶があるおかげで、これくらいの道ならなんとか歩けるっている自信もあったりする。さあ、きっと山頂まではもう一息…。

ピークハントが出来れば一応、登山の恰好がつく

道はすっかり岩稜帯。ハシゴと鎖が連続するが、そんな道にも大分慣れてきた。

さあ、落とすぞ、赤岳…。

 

 

その時ーーー

先行していた、別の登山者一行から歓声のような声が上がる…

何事かと思ってみると…

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少しだが…雲が晴れてる…

このままだ。このままでいてくれ。もう少しで頂上やで…。

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着いた…。赤岳山頂。

そして、その時、自分でも信じられない光景が目に飛び込んできた。

山頂を覆っていた雲が強風で一気に晴れた。

 

遠くの南アルプス…とまではいかなかったが、雄々しくも美しい八ヶ岳の稜線がかなり広範囲まで見渡せた。

↑おお、良かったやん。写真は?

 

下界も諏訪湖?的な湖まできれいに見えている。

↑うん。で、写真は?

 

来てよかった。あの天気予報でここまで見れたら、もう勝ちでいいやろ

↑そうだな、で写真…

 

……

↑?

 

……

ごめんんさい。雲が一瞬で戻ってしまい。シャッターを押せなくって…

↑おいいいいいい!!

 

この旅の最大の失態でした。だから、この日記もテンション上がらなくって。

 

とりあえず、失態に気付いてから、慌ててシャッター押した感じの写真をどうぞ。

 

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おう、なかなかやん。

まあ、充分楽しむに足る景色やで。

 

ここで稜線に出たので良くなった電波で天気予報をチェック。残念ながら、翌日の天気は雨のままだった。

 

まだ10時前。昼くらいまで雲はどんどん晴れるだろう。

山の特性として、夕刻に展望が晴れる可能性もあるし、ワンチャン天気予報が外れて星や朝日が見れる可能性もある。しかし……。

 

先の理由から、ここで撤退。この日のうちに下山する事を選ぶことにしました。

 

ベストからは程遠いけど、苦労して手に入れた風景。これはこれで大事にしよう。

折り合いをつけるには充分でした。

 

「俺も、ここがゴールでいい」

(モーさんと獅子GOさんのラストシーン良かった)

 

 

山小屋の人に謝って、今日帰る事を告げる。

鉱泉からコースタイム2時間40分くらいの所を2時間弱で来れた。

今回、コースも確認できたし、この山ならきっとまた来られる。ベストの景色はその時まで取っておこう。

 

山頂に一緒にいた人に標識の所で写真を撮ってもらった。

なかばヤケクソ気味にポーズを作って強引に笑ってみた

 

高標高の朝だから、顔パンパンでろくでもない写真になるかと思ったが、

スマホに写ってた自分の顔は、ようやく天気とこの山と格闘することから解き放たれたような…。思ったよりもずっとよい笑顔だった。

↑ちょっとポエム調やな。

 

 

さて、とりあえず、頂上にたどりついた所でひとまず占めて、

あとは、下山編と総括をまとめて一個、日記を書こうと思ってます。

(週末くらいにはなんとか……)