雨が逆に功を奏したか…。意外と空いてる大部屋。
赤岳鉱泉。八ヶ岳山麓にある登山基地として、古くから多くの登山者に愛されている山小屋。
晴れていれば、八ヶ岳の横岳の岸壁が美しく見える。雪が積もった八ヶ岳の山容はそれは美しく、当然晴れていれば。晴れていれば星も綺麗に見える。晴れていれば。そう、晴れていれば…
??「うるさいですね」
さて、ちのちゃんからツッコミが入った所で…。
この赤岳鉱泉、有名な理由の一つ…。読んで名のごとく、お風呂(温泉?)に入れる山小屋なのです。
これはポイント高い。小町的にポイント高い。
↑ヲタしか分からんネタ止めろ。
なんせ、夏とはいえこの標高で結構寒いし
↑アホが雨に打たれたからな。
雨で濡れたパンツがさすがに気持ち悪いし
↑アホがレインスーツ着て無かったからな。
結構、汗かいちゃいましたし
↑アホがアホみたいに飛ばして歩いたからな。
そう、前回の無茶な登山は全て、この風呂に帰結する伏線だったのです。
↑お前もう市ね
そんなわけで、2時から6時まで入れるお風呂へ。(入り口の写真くらいは取れば良かった。)
当然、石鹸系は使えないし。かけ湯(入る人全員かけ湯してるんだろうな。)するのがやっとの洗い場も当然シャワー無し。脱衣所と湯舟が一緒になっていて3、4人入ると一杯になる湯舟が満員の時は脱遺所で空くのを待ってないといけない。まあ、風呂としては結構不便
しかし、登山の後に汗を流して、リフレッシュして、新しい服に着替えてくつろげるのは本当にありがたい。
これだけ気力体力充実させた状態で次の日の登山を待てた山小屋は本当に今まで無かった。いや、すばらしい。
天気は一向に良くならない…。っていうか、むしろ土砂降りレベルの大雨になってきた。
ここで、今回の登山予定を明かすと…。
翌日は天気予報を確認した後、朝ごはんを頂いてゆっくり目に出発。八ヶ岳の主峰、赤岳山頂を目指し。その日は、赤岳頂上のすぐ側にある赤岳頂上山荘に宿泊…。(コースタイム3時間くらいでさほどキツくない登山)
さらに翌日朝早く出発。赤岳で朝日を見たら(まあ、晴れないやろうが)そのまま硫黄岳周りで、この赤岳鉱泉を通って美濃戸口へ…。その日のうちに神戸に帰る。これは5時間以上かかる結構凄い縦走になる。
赤岳から横岳を通って硫黄岳へ至る稜線は、ハシゴ場鎖場が連続する難コースだが、その美しい稜線は八ヶ岳登山の目玉中の目玉。
という二泊三日の登山。時間的には充分いけると思うのだが、問題は天気予報のせいで、予定を後にずらしまくって、この次の日がもう仕事に行かないといけないってことだ。これが一番つらい。まあ、我慢するしかないが。
3日目の天気予報は一応晴れになっていたので勝算は高い。問題は明日…2日目の赤岳登頂だ。時間は短いとはいえ、このまま大雨が降り続けたら赤岳登頂自体が不可能になる。場合によっては、もう一泊ここに宿泊して、翌日赤岳登頂…。
この場合は翌日の仕事がキツイから、赤岳にタッチして硫黄岳の方へ縦走せずに、同じコースをとんぼ返りして下山…だな。
未定なのは不安だが、ここまで決まれば後は、天気次第…。
夕飯までの時間をこの山小屋でのんびりしようではないか。
寝ることになる大部屋は少し寒かったので、食堂の方へと行ってみる。雨とはいえ、それなりに人は多い。みんな思い思いに過ごしている。多分、山小屋の関係者なんだろうけど、なぜかトロンボーンの練習してる人とかいた。なんかイベントがあるのか?
隅の方には、山小屋定番の漫画が一杯おいてあるコーナーがある。あまり、こういう所来た事なかった。たいてい山小屋って時間なくてせかせかしてるか、しんどくて寝転がってるかどっちかだったから。
折角だから、どんな漫画があるか見てみる…。ドラゴンボールやジョジョといった有名どころから、定番の岳まで、結構幅広い。敢えてここで読むほどの、我が心の琴線に触れるタイトルは無かったので、登山雑誌のコーナーを見てみる。こっちには……
くそう、ココにもいるか、仲良さそうに登山談義をするカップル。しかも複数組…。仲の良い恋人と二人で八ヶ岳とか、ちくしょう羨ましいじゃねーか。末永く爆発しやがれこんちくしょう!
↑いつもの病気です。
そんなわけで人の少ない一角に行き私が取り出したのは、これ!
もってきた小説…つうかラノベ
俺ガイル13巻
↑またかよーー!ってか、まだ13巻読んで無かったのかよ!
↓微妙にこの記事とかぶせてます。
ええ、もうこんな八ヶ岳の懐で他人の目を気にしても仕方ないでしょう
↑ちょっとは、気にせえよ…
そんなわけで、少し暗い白熱球(そういう色のLEDかな?)の下、束の間の読書タイムが始まります。
こうなると不思議と聞こえてくる屋根や窓を打つ雨音も意外と上質なBGMになってしまうのが不思議です。
「巣立ちの歌」の下らない下りが思いっきりツボに入り、不覚にも声を出して笑ってしまい、周りから怪訝な目で見られたのは←
考えてみれば、ここまで本に没頭するのってなかなか無い気がする。家で読んだらどうしてもテレビとかネットで動画とか流してしまうから
そしてこの巻の俺ガイルの内容も結構胸にくるものがある
青春時代が暗かったおっさんとしては、二度と来ない今を必死になって決着つけようとしてる若者達の姿が眩しすぎて辛い←
まあ本人達は必死なのだろうが
そんな事に精一杯時間を費やせる彼らが羨ましくもあり愛おしくもある
年をとってくると高校時代の3年間なんて、さほど重要ではなくなってくる
例えそれが自分の思うようにならなかったとしても、それは「たまたま登山に来た山の天気が悪かった」くらいの事と大差なかったりなくなかったり…
高校大学の後も人生って色々あるからねホント。
それでもあの時は、それが世界の大部分だった。下らない事をみんなであれこれ言いながら乗り越えて行くことが大事だって言う、いろはすのセリフが良かった
少し本を置く
早起きしたせいで少し眠い…高山病の原因になることもあるらしいんで昼寝はできないが…
夕飯まではまだ2時間近くある。
天下の八ヶ岳でラノベ読んでる、このおっさんも高校生に負けず贅沢な時間を過ごしている…っていうのは流石に暴論か
しかし、なぜそう思ったかはわからないがこうやって雨の降る中、1人山小屋で読書に耽っている自分をなぜか自分らしい自分だ…と、思った
仕事中も家にいても、ここ何年感じる事も無かったそんな感覚…そういや学生の時はずっとこんな時間だったなと…
どこかに忘れてきて、そして二度と戻ることの無い…そんな自分を懐かしく少し寂しく、眠気と共に噛み締めながら…
山小屋に夜のとばりが降りたのであった。
以上、申し訳程度の酔夢譚要素でした
↑いつもの厨二ポエム、こんな所で使ってええの?まさかここが今回のピーク?
さて、気を取り直し、赤岳鉱泉宿泊記の続きです。
もう、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、赤岳鉱泉にはもう一つ、有名なお楽しみがあるのです。
そう………
ヒャッハー!肉だぜえー!!
↑さっきまでの雰囲気どこいった?
そう、夕飯はステーキなのです。山小屋でステーキ。それもこの分厚さ。自分で焼けるスタイルもナイス。ごはんお代わり自由はもちろん。温かいポトフもお代わり自由なのが泣けます。
ちなみに焼くとこんな感じ。
うおおー!!写真でも旨そうだ!いや、実際美味かった。
さて、心も体も温まった所で、ようやく消灯。お休みタイムです。
俺ガイルが半分ほど読み残してしまいましたが、まあ次の機会で良いでしょう。
あくまで目的は登山だからね。
うーむ。しかし……次の日の天気予報は結構雨っぽい。
その次の日の天気は晴れになってるのだが……。
明日次第だな。
もう、寝よう。こんな日はさっさと寝ちまうに限る(加地さんだっけ?)
いつの間にか加地さんより年上になってることにも寂しさを感じながら、私は次の日の登山の成功を祈って眠りについた。
さて、次はいよいよ、八ヶ岳の奥へと歩を進める……ことが出来るのか?俺。